DG-808S Competition Sailplane フライト ノート


フライト プランの作成および航空機の操縦は、航空機の重量、天候、滑走路の状態などのさまざまな要因によって影響を受けます。次の推奨飛行パラメータの一覧は、国際標準大気 (ISA) 状態の日に最大離着陸重量で飛行を行うための概算値です。

重要 : 以下の内容は Flight Simulator でのみ使用することを前提としています。実世界で飛行するために、実際の航空機マニュアルの代わりに使用することはできません。

注意 : Flight Simulator の他のすべての航空機と同様、V 速度とチェックリストはニーボードに表示されます。飛行中にニーボードを表示するには、Shift + F10 キーを押すか、または [航空機] メニューの [ニーボード] をクリックします。

注意 : フライト ノートの速度は、すべて指示対気速度で表されています。これらの速度を基準として使用する場合は、[リアリティの設定] ダイアログ ボックスの [指示対気速度で表示] がオンになっていることを確認してください。諸元表に記載されている速度は、真対気速度で表されています。

所要滑走路長

離陸 : 高速移動機能を使うか、曳航機で離陸します (詳しくは「 航空機の位置の設定」と「ソアリング (曳航機、サーマル、リッジ リフト)」を参照してください)。
着陸 : 1,000 フィート (305 m)

注意 : 離着陸に必要な滑走路の長さは、航空機の重量、標高、向かい風、フラップの使用、周辺の気温などのさまざまな要因で決まります。ここでは以下のような条件で一般的な所要長を示します。

重量 : 最大総重量
高度 : 海面高度
風 : 向かい風なし
気温 : 摂氏 15°
滑走路 : 舗装滑走路

エンジンなし

DG-808S はセールプレーンなのでエンジンはありません。そのため上昇気流がある領域に入るまでは降下し続けます。上昇気流をいち早く、セールプレーンが降下する前に見つけられれば、高度を維持することができます。上昇気流を見つけるのはなかなか大変です。どれくらい長く滞空できるかはパイロットの腕次第です。

暑くて乾いた地域を飛んでいれば、サーマルを見つけられます。サーマルやリッジ リフトの使い方を詳しく知りたい場合は、「ソアリング」の記事を参照してください。

タキシング

DG-808S はタキシングを行いません。

フラップと水バラスト

DG-808Sのフラップは、-9°から +18°までの角度に設定できます。 フラップの操作速度については、ニーボードを参照してください。

水バラストのタンクは主翼、垂直尾翼、胴体にあります。

離陸

ニーボードにある離陸前チェックリストの項目をすべて実行します。高速移動機能か曳航機を使用して航空機の高度を上げます。

曳航機を使用して空へ上がるには

  1. Ctrl + Shift + Y キーを押して曳航機を呼びます。
  2. セールプレーンが曳航機につながれると、曳航機が離陸滑走を始めます。
  3. 曳航機から離脱するには、Shift + Y キーを押します。

高速移動で空へ上がるには

  1. Y キーを押して、高速移動モードを有効にします。
  2. F4 キーを押して高度を上げます。
  3. F2 キーを押して高度を固定するか、Y キーを押して高速移動を無効にしてから、飛行を開始します。

曳航機による離陸が始まったら、フラップの角度を +13°に設定して、操縦桿あるいはヨークを前に倒したままにします。時速 80 km (43ノット) に達したら、ゆっくりと操縦桿を引きます。通常、牽引速度は時速 120 ~ 130 km (65 ~ 70 ノット) ですが、クロスカントリー飛行の場合は時速 190 km が安全です。 牽引速度が速いときは、フラップの角度をマイナスに設定した方がいいでしょう。

3,000 ~ 4,000 フィート (914 ~ 1,219 m) に達したら、高速移動機能を解除するか、または曳航機から離脱します。強力なシェンプヒルト エアブレーキを使用して速度をコントロールし、適切な滑空に入ります。エアブレーキを使用するには、/ (スラッシュ) キーを押すか、またはスポイラー レバーをドラッグします。水平飛行に入ったら、エアブレーキを下げます (/ (スラッシュ) キーを押すか、またはスポイラー レバーをドラッグします)。

別の方法として、高度と対気速度を [マップ] ダイアログ ボックスで設定することもできます。[フライト環境] メニューの [マップ] をクリックして、高度および対気速度を、それぞれのボックスに入力します。対気速度を入力すると、高速移動機能をオフにしても航空機は機首を下げません。また、エアブレーキを使用する必要もありません。

上昇

DG-808S が最初にどこまで上昇できるかは、曳航機の速度によって決まります。巡航上昇するには、上昇気流の中を飛行する必要があります。太陽に温められた地表によりサーマルが発生している空域を飛行してください。 上空に長くとどまる、あるいは上昇するために、上昇気流をどのように利用すればいいのかを知ることは、セールプレーンで飛ぶ一番の醍醐味と言えるでしょう。上昇気流の領域を探すときは、昇降計および高度計に注意します。

バリオメーターの使用法

バリオメーターと呼ばれる計器は、上昇気流の中を飛行していることと、その気流の強さを知るのに便利な計器です。航空機の垂直速度を示す動力飛行機の昇降計とは異なり、バリオメーターはグライダーが乗っている気流の垂直速度を補正して示します。

サーマルまたはリッジ リフトに入ると、バリオメーターから、徐々にピッチの上がる断続的な信号音が鳴り出します。これにより上昇気流の中を飛んでいることがわかります。バリオメーターを見て、気流が上昇しているのか降下しているのか確認してください。

信号音のピッチが下がって鳴り止んだときは、上昇気流から出たことを示します。飛行を継続したい場合や高度を上げたい場合は、別の上昇気流を見つけなければなりません。Flight Simulator には、サーマルが目に見えるように表示する機能があり、グライダー飛行を学ぶのに役立ちます。

バリオメーターの音のオン/オフ

  • 計器パネルの [Vario] ボタンをクリックします。

上昇気流に乗っているときに遠くへと飛ぶには、最大 L/D (揚抗比)、つまり指示対気速度 (IAS) 約 57 ノット (時速 105 km) で飛行します。上昇気流の中にとどまり、高度を上げるには、最少沈下速度である約 46 ノット (時速 85 km) で飛行します。

上昇気流を失った場合は、機首を下げて速度を上げ、再び上昇気流を探します。増加させる対気速度の量は、向かい風の速度の約半分でなければなりません。たとえば、10 ノットの向かい風が吹いている場合は、速度を 6 mph 増やします。

セールプレーンのパイロットにとって、もっとも挑戦しがいのある上昇気流の発生源の 1 つは “サーマル (熱上昇気流)” です。サーマルとは、太陽光線によって地面が温められると、場所によって温度差が生じ、暖かい空気が上昇気流となる現象のことです。 たとえば、砂漠地帯や茶色の地面は、森や緑の地面よりも温かくなります。この温められた地面から、大気中に熱が放出されて、上昇する大気の柱ができます。

巡航

巡航高度は通常、風や天候などの要因によって決定されます。グライダーで長距離飛行ができるかどうかは、サーマルに乗って高度を上げられるかどうか、そして最適滑空速度を維持できるかどうかにかかっています。エンジンがないため、地面に向かって降下しないように保つことができるのは上昇気流だけです。

上昇気流が見つからない場合は、滑空速度をできるだけ保つようにします。DG-808S で覚えておくべき数字は 45 対 1。高度 1 マイル (1,609 m) に対して 45 マイル (72.42 km) の距離を移動できるということです。

これは、理想的な条件下での数値です。

好ましくない風やその他の要因を考えて、安全のための余裕を取っておく必要があります。実世界で滑空を行うパイロットは、航空機の実際の性能を半分から 3 分の 2 として考えます。

降下

セールプレーンでは、着陸のチャンスは一度だけです。ただし、Flight Simulator では、高速移動機能を使用して高度を上げることができます。したがって、トラフィック パターン高度で空港に到着するように降下を計画する必要があります。 空港からどのくらい離れていればその空港まで飛行でき、なおかつ安全に着陸できるかを判断するには、少し経験が必要です。

ではここでテストです。高速移動機能を使用して高度を 1 マイル上げ、空港から 20 マイル (32 km) の距離まで移動します。正確を期する場合は GPS (全世界測位システム) を使用することができます。もう一度高速移動機能を使用することなく、どのくらい上手に空港に戻ることができるか試してください。空港の標高より約 1,000 フィート (304.8 m) 上空で空港のパターンに入ると良いでしょう。

アプローチ

空港付近に到着したときに高度が高すぎた場合は、エアブレーキを使用して降下率を大きくできます。/ (スラッシュ) キーを押すか、またはエアブレーキ ハンドルをドラッグしてください。約 52 (時速 96 km) で通常のトラフィック パターンを飛行します。着陸地点の真横で、降着装置を降ろして、フラップを +13°にセットします (G キーを押して降着装置を下ろし、F7 キーを押してフラップを徐々に下げます)。 着陸する前に、バラストの水は捨てなければなりません。

着陸

ファイナル アプローチで速度が速すぎると、セールプレーンが必要以上に長く飛ぶことを頭に入れておいてください。 必要なら、ファイナル アプローチでエアブレーキを使用して減速し、降下率を大きくします。

滑走路の進入端を通過したら、着陸に向けて機首を少し上げます。このとき、まだエアブレーキを出していない場合は、接地する前にエアブレーキを出します。そうすることで接地を妨げる揚力が取り除かれます。地面近くで水平飛行を保持し、そのままの状態でスムーズに着地します。 フレアはかけないでください。フレアをかけると、尾輪が地面にぶつかり乱暴な着陸になってしまいます。

着陸後は、走行にラダーを操作して方向を制御します (ジョイスティックの場合は、スティックをひねります。ラダー ペダルの場合は、左右に操作します。キーボードの場合は、テンキーの 0 キー (左) または Enter キー (右) を押します)。