Beechcraft King Air 350

フライト ノート― King Air 350 の操縦方法

タービンエンジンを装備したビジネス機のうち、5,000 機以上も生産されたビーチ キング エアの成功に匹敵するものはほかにありません。キング エアは、世界中のキャビン クラスのターボプロップ機の 90% 近くを占めたこともあります。クイーン エアに代わるタービン動力機として設計されたキング エアは、最終的にエグゼクティブ向けターボプロップ機の中のトップ機種としてクイーン エアに取って代わりました。

キング エアとそのすべての改良モデルは、標準的なスタイルと優雅なラインを備えた美しい航空機です。何年にもわたる幾度もの改良により、空力効率が向上し、エンジンが増強され、速度が上がりました。また、アビオニクスおよび電気系統が改良され、キャビンの豪華さも増しました。企業用エア シャトルとしての用途に加え、貨物輸送用のモデルもあります。

キング エア シリーズの中で、その後のモデルの傾向を決める重要な設計変更が行われたのは、モデル 200 スーパー キング エアです。前縁後退角付きの T 型尾翼が採用されたため、水平安定板とエレベータは主翼の後方乱流を受けず、以前に比べてスムーズで乱れのない空気の中で動作できるようになりました。また、外観も洗練されました。全長、翼幅、および出力も大きくなり、その結果、積載量が増えました。キング エアは、高度 25,000 フィート (7,620 m) でキャビン内を高度 6,740 フィート (2,054 m) 相当に与圧して、8 人の乗客を運ぶことができました。

その他の改良点と合わせて、ビーチ社では、キング エアに実験的にターボファン エンジンを取り付けたこともあります。この変更を加えた試作機の飛行テストも行われましたが、量産には至りませんでした。

キング エアの最新モデルは、モデル 350 です。このモデルは現在までにキング エアに搭載された中でも最強のエンジン (1,050 shp) とモデル 300 より 34 インチ (86.36 cm) 長い胴体を持ち、キング エアという偉大なシリーズの頂点に君臨しています。350 では、最大 11 人の乗客が、この豪華な航空機の標準である 2 列に並んだクラブチェアに座ることができます。小さな調理室や機内娯楽システムは、キング エアの顧客の期待を裏切らないレベルの高い快適性を提供しています。独特のウィングレットは外観上最大の特徴であり、これによって 350 は空港の駐機場にあるキング エア姉妹機とも簡単に区別することができます。

キング エア シリーズ全体の特徴は、数十年にもわたって改良が加えられてきたすばらしい基本設計です。 キング エアは、すでにこのクラスでは伝説的な地位を獲得しており、今後も企業用の航空機として最上位の選択肢であり続けるでしょう。キング エアは、十分 “キング” の名に値する航空機です。

優雅なキング エアは、与圧キャビンを備えた双発エンジンの高性能ターボプロップ機です。 企業用の輸送機として最も頻繁に使用されており、最大定員は 17 人ですが、通常は 9 人から 11 人分までの座席が装備されています。効率的な主翼と、NASA で設計されたウィングレットが構造上の特徴です。スーパー キング エアの T 字形の尾翼によって空力効率が向上し、操縦に必要な力が軽減され、重心の許容範囲が広がりました。

多くの若手パイロットが初級操縦士から昇進し、キング エアの操縦席に座って企業用航空機を操縦するようになりました。美しいビーチクラフトを操縦することは、タービン エンジンを持つ航空機や、大型機などのより複雑な航空機を操縦するまでに至る過程の中で良い経験になっています。

諸元表

巡航速度	315 kt、363 mph	583 km/h
エンジン	Pratt & Whitney PT6A-60A (1,050 shp)
航続距離	1,765 nm (VFR)、1,582 nm (IFR)、1,648 miles	3,509 km
実用上昇限度	35,000 ft	10,668 m
燃料積載量	539 gal	2,040 ℓ
総重量	15,000 lb	6,818 kg
全長	46.7 ft	14.23 m
全幅	57.9 ft	17.65 m
全高	14.3 ft	4.36 m
座席数	最大 11 席
有効搭載量	5,910 lb	2,681 kg