空域について


空の境界線

Flight Simulator で ATC との交信や無線通信を体験するために、空域がどのように分割されているかを理解しておく必要は必ずしもありません。ただし、Flight Simulator の [ATC] メニューの項目は、さまざまな要素によって変化し、ときには航空機が現在飛行中の空域や、進入しようとしている空域の種類が関係している場合もあります。現実の世界では、特定のクラスの空域に入る場合は、管制官に伝える必要があります。Flight Simulator では、この情報を管制官に伝えなくても、操縦士技能証明が取り消されることはありません。

しかし、もしあなたが米国での空域クラス分類にどのような意味があるのか興味をお持ちなら、ぜひこの先をお読みください。

米国の空域のクラス分類

クラス A (アルファ)

平均海面 (MSL) からの高度が 18,000 フィート (5,486 m) から FL600 (フライト レベル 600 = 60,000 フィート/18,288 m) までの空域です。 クラス A 空域では、特に許可を得ていない限り、パイロットは計器飛行方式で飛行しなければなりません。

クラス B (ブラボー)

混雑度が最も高い空港の周囲の、地表から 10,000 フィート (3,048 m) MSL までの管制空域です。クラス B 空域の規模は個別に決められていますが、通常は主要空港から 30 マイルの範囲の空域です。現実の世界では、クラス B 空域を飛行するには操縦士技能証明、気象条件、および航空機の装備に関する要件を満たしていなければなりませんが、Flight Simulator ではこのような要件はありません。また、実際にクラス B 空域に入る前には、ATC と交信して許可を受ける必要があります。Flight Simulator でクラス B またはクラス C の空域から離陸すると、”フライト フォローイング” サービスが自動的に開始したかのように ATC が動作します。つまり、あなたが操縦する航空機は、クラス B またはクラス C 空域から離脱するまで ATC の管制下にあります。

空域のクラス分類 : 
A-クラス アルファ B-クラス ブラボー C-クラス チャーリー D-クラス デルタ E-クラス エコー G-クラス ゴルフ

クラス C (チャーリー)

タワーが稼動中であり、TRACON (Terminal Radar Approach Control) サービスが利用可能な空港の、地表から 4,000 フィート (1,219 m) MSL までの空域です。クラス C 空域の大きさは空港ごとに個別に決められていますが、通常は半径 5 海里 (9.26 km) の範囲の地表から 4,000 フィートまでの部分と、その上の半径 10 海里 (18.52 km) の範囲の 1,200 フィート (366 m) から 4,000 フィートまでという棚状の領域があります。現実の世界では、クラス C 空域に入る前に ATC との交信を確立する必要があります。

クラス D (デルタ)

タワーが稼動中の空港の、地表から 2,500 フィート (762 m) MSL までの空域です。クラス D 空域の大きさは、空港ごとに個別に決められています。現実の世界では、クラス D 空域に入る前に ATC との交信を確立する必要があります。

クラス E (エコー)

クラス A、B、C、D のどれにも属さないすべての管制空域です。クラス E 空域を飛行しているときは、IFR が必要な気象条件である場合を除いて、誰とも通信する必要はありません。

クラス G (ゴルフ)

3 つの異なる高度レベルで構成される非管制空域です。つまり、地表から対地高度 (AGL) 1,200 フィート (365.76 m) までの部分と、対地高度 1,200 フィート以上 10,000 フィート (3,048 m) MSL 未満の部分、および 10,000 フィート MSL 以上 14,500 フィート (4,420 m) MSL 未満の部分があります。クラス G 空域を飛行しているときは、誰とも通信する必要はありません。

関連リンク

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